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かつてKさんに教えて頂いた沢にて

執筆者の写真: 源水会 仙台源水会 仙台

更新日:2023年12月5日


この○沢は仙台源水会に入会した20年前にK地さんに案内して頂いた沢です。仙台から車止めまで3時間であり、少し遠いのですが、釣果が安定しています。I垣さんと競うように、毎年訪れています。


2年前の平成25年7月11日(木)にM上さんと来ました。そのときは大雨のため、前夜には林道に入らず、集落の空き地で車中泊しました。これが結果的に大正解。翌朝も降り止まず、それでも未練がましく林道を走る。すると、車止めの手前で崖崩れがあり、緊急工事をしている。登山客などの車が閉じ込められているのかもしれない。いやあ、危なかった…。もし、前夜に車止めまで突っ込んでいれば、われわれも閉じ込められていたのでは?いつもは澄んでいる川が茶色の濁流になっている。その濁流を関東ナンバーの車から恨めしそうに見ている人がいる。どの枝沢も濁っており、一度も竿を出せずに撤退する。やむなく鶴岡の加茂水族館に行って、ゆらゆら浮かぶクラゲをのんびりと眺めてから帰る。


その一ヶ月後の8月11日(日)、今度はA部さんと行く。前夜に車中泊しましたが、暑さ対策にA部さんが作った網戸が実によろしい。おかげでオイラは爆睡。でも、オイラのイビキにA部さんは苦悶していたのかも。朝起きると車止めに10台もいる!「これでは○沢は勝負にならないでしょうねえ」ということで、本流を攻める。でも、2人で3尾。本流もダメならと、左岸の沢に入る。この沢は残雪が残り、8月にならないと入れないことが多い。アブもいないので、気持ちが良い沢だが、釣果にはムラがある。ここもK地さんに案内して頂いた沢で、初めて来たときにはK地さんが尺上を3,4本連発していた。この日は淵尻の番兵イワナを上げれば、淵頭でもイワナが釣れました。クライマックスは魚止めの滝壺。初めて見たときは、その滝の惚れ惚れとして、言葉を失うほどでした。K地さんもお気に入りの滝で、素敵な写真をカレンダーにもしていました。その写真を葬儀の際にご子息から頂き、いまでも大切にしています。この日は尺物が出ませんでしたが、食べ頃サイズのイワナを翌日、自宅庭のバーベキューで堪能しました。小国マタギ作のナラ炭で焼いたイワナの塩焼きは絶品で、魚嫌いのこどもまで喜んでパクついてました。


さらに一ヶ月後の9月11日(木)に再び訪れる。この日は単独。前夜に雷雨に見舞われるが、翌朝は止んでいて、待望の○沢に入る。「よーし、釣るぞう!!」って一人気炎を吐き、餌を取り出すと、あれれ…。昨日採ってきたドバミミズが全てくたばっている。ビニール袋を締めすぎていたようだ。何たる不覚か。でも、予備に買ってきた市販のミミズに救われました。そして、この日はポイントごとにイワナがいました。型は6,7寸が大半で、8寸級は少なかったですが、ひとりで沢を独占してきました。


以上、長くなりましたが、今回の大物賞の前段です。


今回の出漁は平成27年6月12日(金)。手始めに6月4日(木)、I垣さんに「急な話ですが、明日、○沢に行きませんか?」とメールすると、「急なので行きません」と返答が来る。それで、やむなく仕事に励む。この沢に行くには車止めまでの林道が除雪されている必要があります。年によっては雪崩で林道が剥ぎ取られ、その整備も必要です。そこで、情報通のI垣さんに尋ねると、「車止めの近くまでは行けるようだよ」とのこと。念とために、集落の釣り宿に電話すると、「ああ、車止めまで除雪が終わってるよ。なに、山登りなの、釣りなの?」とおばちゃん。「いやあ、沢でも見ようかなあって」とごまかしてしまう。


準備万端整い、W田くんを誘って、早朝2時にW田宅を出発。朝5時に車止めに到着すると、高崎ナンバーの2人が着替えている。「釣りですか?どこを釣る予定ですか?」「本流を釣って、○沢の出合あたりで戻ろうと思う。」よしよし。「それでは我々は○沢だけ釣ります。」「ああ、そうして下さい。お気を付けて。」ってな具合で、すんなり話しがまとまって出発する。昨冬の大雪のせいか、登山道が何カ所か雪崩に削られている。途中の水飲み場の手前は大きく削られており、沢に降りる必要がある。慌てることもないので、ゆっくり60分かけて○沢に到着する。


さあ、こっからは忙しいぞう!すぐさまW田くんが竿を出す。すると一投目に来る。つづいてオイラも竿を出す。すると餌が流れる前にパクリ。これは楽しい一日になりそうだな、と2人でほくそ笑む。沢の入口からポイントごとに喰い付いてくる。イワナが淵尻に出ていて、活性が高い。まあ、難点と言えば、7寸級が主体で、8寸以上が少ないことか。10時頃には二又に到着するが、あれれ、ここでポツリと雨粒が落ちてくる。この日の天気予報は「くもり、ところによりときどき雨。」W田くんが恨めしそうに天を見上げると、雨が止む。あんたは神の子か?「よおーし、釣るぞう!」と元気が出る。まず、W田くんが二又手前の淵を丁寧に攻める。淵頭の見張りを片付けてから、かみてのイワナを上げる。もう少しかみてのイワナも上げる。こうして、次々にイワナを抜いていく。


「いやあ、見事だねえ」、「村上さんも釣りなよ」。「あいよ、ほれ」っと入れると、オイラにも1尾。その淵だけで10尾ばかり抜いて、とどめは淵頭だ。「村上さん、良いとこ残しといたから、やってよ」「ええ、良いの?大物釣っちゃうよ」「うん、釣っちゃって」「ほれ(投入)、(ググッ)、うーん、根掛かりかな?」「違うよ、村上さん、喰ってるよ」「そうかな、えい、抜いちゃえい」っと無造作に引き抜くと、大きなイワナが目の前に飛んできて、もうビックリ。「あらら、また、ずいぶん豪快に釣るねえ」とW田くんがあきれる。これがこの日一番の大物で、メジャーをあてると36センチ!!「雑に抜いても、落とさなくて良かったねえ」とW田くんに冷やかされる。このイワナが今年度前期の大物賞となったわけです。例年なら、40オーバーでないと受賞にはほど遠いのですが、今年はみなさん不漁であったため、運良く大物賞をせしめることができました。


この日の釣果はW田くんが50尾くらい、オイラは20尾くらいで、この時点でもかなり差がありました。そこで、W田くんがオイラに花を持たせてくれたわけです。大物ポイントを釣る前に、W田くんが見張りを片付けて置いてくれたことも功を奏しました。余談ですが、このポイントの脇には最高の状態のウドが群生していて、ザックいっぱいになるまで採ってきました。


このあと、二又から左の沢から入ってすぐにある3メートルの落ち込みを慎重に釣りましたが、なぜかアタリなし。W田名人も探るが、やはりアタリなし。おかしいなあ、と思いながら、次の5メートルの滝壺にも竿を出すが、同じくアタリなし。かつてはイワナが溜まる好ポイントだったのですが、まったくの不発に終わる。そのわけをI垣さんに尋ねると、「あそこは壺が埋まっちゃって、去年も全然釣れなかったんだ。前は必ず尺物が釣れたのにねえ」と説明してくれた。となると、大水でも出て、溜まった砂利を洗い流してくれないことには、しばらくは釣れないのでしょう。源水会のみなさん、○沢の最高のポイントは二又左手の魚止めではなく、その二又の淵に変わりました。記憶に留めて置いてください。


その後、正午に納竿して、沢を下り、登山道を歩いて車止めへ戻りました。不安視された雨にも見舞われず、楽しく過ごすことが出来ました。強運を感じたのは、着替え終わって車に乗ったとたんに、雨がザアザアと降ってきたときです。やはりW田くんは何か持っているようです。でも、W田くんと別れて、家に帰ったあとが大変でした。両脚の親指が腫れ上がってしまい、一週間も湿布を貼る必要がありました。ゆるんだ靴のまま下りを歩き続けたせいで、親指を捻挫してしまったのです。さらに、追い打ちをかけるように妻からカゼをうつされて、結局はこのあと一ヶ月間おとなしくしていました。


ということで、今回の大物賞はW田くんから頂いたようなものです。平成25年に53.5センチを釣ったときにはM上晃さんに力を貸して頂きました。みなさんのお陰で良い釣りをさせて頂いているのだなあ、とつくづく感じている次第です。

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