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  • 執筆者の写真源水会 仙台

5月3-4日キャンプ

更新日:2023年8月23日




月10連休後半,1泊2日での源流釣行。今回、釣行記を担当しているのは初参加の鈴木(2号)。

すべてが初めての体験であった。このキャンプの下山途中に釣行記の話題になったが,会話をしながら,「ちょうこうき?」という状態。今この文章を打ちながら,「釣行記」の意味が分かった次第である。

メンバーは,齋藤さん,大見さん,田澤さん,笠松さん,そして私と同じく初参加のSさんの6名。AM5時集合。朝の寒さに夜はどれぐらい寒くなるのかと不安がよぎる。簡単なあいさつ後,身支度を整えるが,初めて買った沢靴が見当たらない。玄関に忘れてきたらしい。本当にこれで釣りができるのか?!と不安のまま出発。「寒いぐらいの恰好がちょうどいいよ」とのアドバイス。当たり前なのかもしれないが,荷物を担いでの登山が初めての私にとっては,貴重な言葉であった。

登山開始後,20分程度経ったであろうか…。先頭の笠松さんが一行とはぐれてしまう。みんなで名前を呼んだり,笛を吹いたりする。しかし沢の轟音には勝てず, 齋藤さん,大見さんが探しに行く。沢音の凄さ,自然の怖さを改めて実感した瞬間であった。



その後合流。数時間の登山の末,沢に入る。登山シューズのため,水流の強さとぬめりで動けなくなる。田澤さんが棒ですかさず助けてくれる。齋藤さんからチェーンスパイクを貸していただき,やっと「釣り」のスタート地点に立つことができた。普段はウェダーを履いての釣り。雪どけの水などほとんど入ったことがない。雪どけ水の冷たさにまた不安になりながらも,沢の美しさに心奪われ感動。初めて使用するレッグガードの機能のすごさにも感動。



エサを使った『ミャク釣り』、毛針を使った『テンカラ』や『フライ』、ミノーやスプーンを使った『ルアーフィッシング』。フライフィッシングを実際に見るのは初めてであった。笠松さんや斎藤さんの姿を見ながら,「かっこいいなぁ…でも釣れるのか?」と半信半疑。笠松さんや齋藤さんが釣り上げた瞬間,これが「釣る」ということかと実感。「しかける」「合わせる」「釣り上げる」。「自然に釣れていた」との違いを目の当たりにする。

いろんな人との出会い,知らない世界が自分の見識を広げ高めてくれる。源水会で体験したいと思っていた「今までの自分にはない世界」を感じる場面であった。




山小屋到着直前の滝登り。楽々と登っていくメンバーを見ながら,わき道を足元がすくわれそうになりながらも登り切る。「たぶん滝でも行けそう。でも落ちて濡れたら,どうなるんだろう…」と自問自答する自分。今この文章を書きながら,どんどん歳を取るごとに行動が守りになっている自分にがっかりする。「あの頃の自分はどこに行った?」「次はやるぞ!」

その後の支流での釣りは,みんな順調に釣り上げる。これもすべて齋藤さんが先に釣れるポイントに導いてくれているおかげである。最後の締めは大見さんの尺イワナ。うらやましい。帰り際のSさんの竿入れグッツ。本当に使える便利グッツを揃えている。すごい。PM3時ごろ山小屋に到着。すぐに夕食の順備。大見さんはのこぎりで倒木を切り出す。のこぎりで手伝いをしながら,倒木の枯木とは言え自然の木を切るなんて「いつ以来だろう」と考える。キャンプでは常に「市販の炭」になっていたことに気づく。高校生の頃までは,そこら辺の木を切って,みんなでキャンプファイヤーをしていたなぁと懐かしむ。もう30年も前になっているのか…。齋藤さん,田澤さんの魚さばきにほれぼれする。繊細さとワイルドさ。そしてまな板に物差しがついているなどのアイディアの数々。一つ一つが素晴らしい。写真では見ていたが,イワナ寿司のうまさに驚く。同時に作ってもらったカルパッチョやキノコ汁などの数々の料理。箸が止まい。ここでしか味わえない幸せをいただいた。また,それ以上に,これらの食材や調味料を準備していただいていることに感謝。「自分はこれからメンバーのために何ができるのだろうか…」と考えてしまう。満天の星空を望みながらの夜の焚火。山から拭き下ろすヒンヤリとした風。どんどん気温が下がるとともに,焚火の揺らめきが奇麗になっていく。大見さんは本当に焚火が似合う。あの時間の贅沢さもまた格別であった。







2日目の朝は雑炊。ワサビ菜のしょうゆ漬けが食欲を掻き立てる。こしあぶらの刻みも入れる。春の香り。山の恵みに感謝。最後に目玉焼きが投入される。これがまた一度食べたら次も必ず投入したくなる味であった。



帰り支度をする。当然物は減っているはずなのに,リュックに物が入らなくなっている。不思議なものである。下山中は,笠松さんの毎回の「びっくりする!!」と「軽やかなトーク」が疲れた体を癒してくれた。野生のサルを初めて見る。メンバーはD滝を見に登山。自分はアキレス腱の不安から,その場で待機。植物を見て待つ。葉ワサビ,カタクリ,スミレなど…。ゆっくりと愛でることが今までなかったことに気づく。新緑と萌黄色の彩り豊かな山々。夏を思わせる日差し。木々の芽吹きを見ながら,新たな始まりを感じる。生き物すべてが動き出し始めている。さて,自分はどうだろうか…。

今回の釣行記は釣りの話がほとんど出ないでしまった。それは,『釣り』に至るまでのすべてのものが,自分にとって新鮮で,そちらの方の印象が強かったためである。「源流釣り」と一言で言っても「源流」に至るまでの「道のり」や「準備」の数々をしっかりと考えなければいけないことに気づいた旅でもあった。またそれとともに,自分の生き方を再認識する旅にもなった。

支えていただいた今回の5名のメンバーに感謝である。

そして最後に…私の車のカギを発見し,フロントガラスにそっと置いてくれた心優しい山男(女)さん。本当にありがとう。良き出会い,良き仲間を大切にしたい。齋藤さんが夜に焚火を見ながら言った「仲間っていいね…」。この文章を書きながら,その言葉を思い出す。





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